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1999年9月30日 Y子さん&女王様との会食 [新・たそがれ日記]

1999年9月30日(Y子さん&女王様との会食)

今日は、仲良しのY子さん(作家)の取材を兼ねた夕食会にお付き合いしました。

取材インタビューをお願いしたのは、現役のSMの女王様!。
Y子さんは「支配と服従」をテーマにした小説を執筆中で、あたしもできるだけの情報提供やレクチャーはしたのですけど、残念なことに根っからマゾ娘のあたしには、女王様の心理はわかりません。
そこで、やっぱり本物の女王様に話をうかがうのが一番ということで、今夜のセッティングをした訳です。

会食の場所は、表参道に面したビルにある日本料理屋さん。
19時にあたしが一番乗りしてみると瀟洒な雰囲気の小ぢんまりしたお店で、テーブルとテーブルの間の間隔もあまり無く、果たしてこんな所でSMの話なんかしていいのかな、と一瞬心配になりましたけど、仲居さんが案内してくれたのは、4人用の個室スペースで、これなら大丈夫と安心しました(大丈夫じゃなかったんだなぁ、これが・・・)。

やがて、日ごろおしゃれな彼女にしては控え目なファッションでY子さんが到着、少し遅れて女王様がご来臨されました。
女王様は170cmを優に越えるスレンダーな長身、モデル並みの抜群のスタイル。ライトベージュのジャケットに黒の細身のパンツという一見さりげないファッションながら、ジャケットから覗く真っ赤なビスチェと高く結い上げた髪が、ただ者ではない雰囲気を漂わせています。

ちなみに、あたしは、袖と背中の上部がシースルーで胸元が大きく開いた黒のミニワンピース、アクセントとして(というかマゾ娘の象徴として)胸の谷間の左側(おっぱいの裾野)に、真っ赤な薔薇のタトゥーを貼ってます。

ビールで乾杯するのもそこそこに仕事熱心なY子さんは、MDをセットして女王様へのインタビューを開始します。
女王様もかたじけない事に「ちょっと古いものなのだけど具体的なイメージがあった方がいいと思って」とおっしゃって、以前、御自分が出られたSM雑誌のコピー数枚をテーブルの上に広げられます(女王様は律義なご性格とみえて、掲載誌の奥付けまでコピーされてきました。それを覗き見ると、1988年の発行で今から11年前のものです。どうりで写真の女王様のお顔がかわいらしいはずです。さっき自己紹介された時、女王様は「23歳です」とおっしゃってましたから11年前だと・・・、ん?)。

一気に話がはずみかけた頃、仲居さんが先付け(会席料理で一番最初に出て来るお料理)を持って入ってきました。
ところがテーブルの上は、男奴隷に馬乗りになってスパンキングする女王様etcの写真のコピーが広げられた状態。
あわててあたしがテーブルの上にスペースを作ってあげましたけど、かわいそうに仲居さんは「先付けでござ・・・(います)」で固まってしまいました。
しばらくして、松茸の土瓶蒸しを持って彼女が入って来た時には、「あの、お浣腸プレイって、どのくらい入れるのですか?」「そうねぇ、人によって違うけども、100ccの浣腸器で最低3回以上、普通は500ccくらいかしら。それ以上だとイルリガートルを使う事が多いわねぇ」「イルリガートルってなんですの?」と女王様とY子さんは浣腸プレイのお話の真っ最中。

仲居さんを上目遣いで観察すると、必死に平静を装ってはいるものの、目が完全に吊り上っちゃってます。
そうだろうなぁ、こんな珍しい客を担当したの、まず間違いなく初めてだろうし、と同情していると、その後、お料理を運んでくる仲居さんが次々に代わるのに気付きました。
どうも想像するに「ねぇねぇ、あたしの担当の個室のお客様、SMの女王様にインタビューしてるわよ!。しかも一人はニューハーフみたいなの」と担当の仲居さんが仲間にしゃべり、「え~っ、見たい見たい!次はあたしが運んでいく!」という事態になってる様子です。

お料理は手が込んだものが多くお味も上々で、インタビューも順調に進み、デザートを食べた所で、一応この場はお開きということになりました。
私たちが席を立つと、出口に仲居さんたちに加えて白の調理着姿の板長さんまで総出でお見送りです。
確かに会席コース3人分は上客でしょうけど、ちょっと大袈裟な感じがします。
やっぱりあたしたちを見に出て来たのでしょうか? 異様な雰囲気に気付いたY子さん、エレベーターの中で「ねぇ、順子ちゃん、ここお料理おいしかったけど、あたしもう恥ずかしくて来られないわ」と言います。「気付くの遅いのよぉ!、お姉様」。

時刻は21時半をすぎたところ。女王様が説明しくださったSM系のフェティッシュ・ファッション(ラバー、レザー、PVCなど)の素材感や用具のイメージを掴みたいというY子さんの希望で、タクシーに乗って女王様のご案内で、南青山の「AZURO」に向かいました。
「AZURO」が曙橋にあった頃には何度か訪れていますし、実は、その昔、「AZURO」主催のフェティッシュ・パーティに出席したことのある私ですけども、移転してからは初めての訪問でした。

店内におしゃれに展示された様々な衣装や用具、書籍を眺めている内に、しばらく縁遠かったSM世界が懐かしくなりました。そんな思いに浸っていると、Y子さんが「ねぇねぇ、順子ちゃん、なんでガスマスクが並んでるの?」などと質問してきます。
あたしがレクチャーすると、彼女は「ああ、そうなんだぁ」と言いながらメモを取ります。
こんなにSM世界のことを知らなくて、果たして女王様を主人公にした小説が書けるのかなぁ、と心配になるのですけども、こうした熱心な取材姿勢とその取材した素材を巧みに使ってストーリーを組み上げる豊かな構想力、いわば何もない所から魅力的な物語世界を作り上げる能力こそが、第一線で活躍す作家として彼女のすばらしさなのです。

「AZURO」の見学を終えて、3人で青山通りまで歩きました。
女王様とあたしは、もう1軒行きたいところですけど、小説の素材を山ほど仕入れてイメージが頭から溢れそうなY子さんは、飛んで帰ってワープロに向かいたい様子。

女王様のお酒のお相伴役はあたしが引き受けることにして「さあ、後はおネエ様の腕の振るいどころよ。頑張ってね」と見送り、あたしは、女王様と二人で新宿に向かいました。

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